ブログやウェブサイトを運営している方にとって、最も重要な課題の一つが「どうすればもっと多くの人に記事を読んでもらえるか?」ではないでしょうか。サイト分析といえばGA4!と考える方が多いですが、「お金をかけずに流入数を増やす=検索流入を増やす」という目的でいえば圧倒的にサーチコンソール分析の方が重要となります。
そこで本講座では、ブログやサイトの流入を増やすためのサーチコンソール分析方法を、具体的な事例とあわせて初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します。

Googleサーチコンソールとは?なぜ分析が必要なのか?

まず、Googleサーチコンソールがどのようなツールで、なぜその分析が重要なのかを理解しましょう。
Googleサーチコンソールの基本
サーチコンソールは、Google検索結果でのサイトの掲載順位や表示回数、クリック数などを確認できる無料ツールです。サイトがGoogleにどのように認識されているかを把握し、問題点を特定・改善することで、検索パフォーマンスを向上させることができます。
具体的に、サーチコンソールでは以下の情報などを確認できます。
- 検索パフォーマンス: どのようなキーワードで検索されているか、表示回数、クリック数、掲載順位など
- インデックスカバレッジ: ページがGoogleに適切にインデックスされているか、エラーの有無
- サイトマップ: サイトマップの送信状況と処理結果
- 手動による対策: Googleからのペナルティの有無
- モバイルユーザビリティ: モバイルフレンドリーなページかどうか
- ウェブに関する主な指標: ページの読み込み速度などのユーザー体験に関するデータ
- リンク: サイトへの外部リンク(被リンク)と内部リンクの状況
これらのデータは、サイトの現状を正確に把握し、次の施策を考える上で不可欠です。
なぜサーチコンソール分析が必要なのか?
サーチコンソール分析が不可欠な理由は、以下の3点に集約されます。
- 現状把握と問題点の特定: サイトのパフォーマンスを客観的なデータで把握し、どこに改善の余地があるのか、どのページが問題を抱えているのかを特定できます。
- 改善施策の立案と効果測定: データに基づいて具体的な改善策を立て、その効果を測定することで、PDCAサイクルを効率的に回せます。例えば、表示回数が多いのにクリック数が少ないキーワードを見つければ、タイトルやディスクリプションの改善策を検討できます。
- SEO効果の最大化: Googleの検索アルゴリズムの変化に対応し、常に最適なSEO対策を行う上で、サーチコンソールのデータは羅針盤となります。
これらの理由から、サーチコンソールはブログやサイト運営者にとって、まさに「宝の山」と言えるのです。
サーチコンソール設定の基本

サーチコンソールを最大限に活用するためには、まず適切な設定が必要です。
Googleサーチコンソールの導入
Googleサーチコンソールの導入がまだの方は、以下講座を参考にGA4(もう一つの分析ツール)と合わせて設定しましょう。

サイトマップの送信
サイトマップは、検索エンジンがサイトのページを効率的にクロールし、インデックスするための「地図」のようなものです。サーチコンソールにサイトマップを送信することで、Googleがあなたのサイトのすべてのページを認識しやすくなり、インデックス漏れを防ぐ効果が期待できます。
サイトを公開したばかりの方はなかなかGoogleにインデックス登録されないため、必ずこの作業を行っておきましょう。

- サイトマップのURLを確認: WordPressであれば、通常
あなたのドメイン.com/sitemap_index.xml
やあなたのドメイン.com/sitemap.xml
などのURLで自動生成されています。 - サーチコンソールで送信: サーチコンソールの左メニューから「サイトマップ」を選択し、「新しいサイトマップの追加」の欄にサイトマップのURLを入力して「送信」をクリックします。
- ステータスの確認: 送信後、ステータスが「成功しました」となっていれば問題ありません。
サイトマップを送信することで、Googleがより正確にあなたのサイトを理解し、検索結果に表示してくれる可能性が高まります。
さらにサイトマップについてプラグインを使用してSEO対策したい方は下記講座より「XML Sitemap Generator for Google」をインストール、設定しましょう。
検索パフォーマンスレポートの徹底分析
サーチコンソールの中でも、最も活用する機会が多いのが「検索パフォーマンスレポート」です。ここには、サイトへの検索流入に関する宝の山が眠っています。
検索パフォーマンスレポートの基本指標
検索パフォーマンスレポートを開くと、以下の4つの主要な指標が表示されます。

- 合計クリック数: Google検索結果からサイトにアクセスしたユーザーの総数。
- 合計表示回数: Google検索結果にサイトが表示された総回数。
- 平均CTR (Click Through Rate): 表示回数に対するクリック数の割合。
クリック数 ÷ 表示回数 × 100
で計算されます。 - 平均掲載順位: Google検索結果でのページの平均的な順位。
これらの指標を期間やキーワード、ページ、国、デバイスなどで絞り込みながら分析していくことが重要です。
キーワード分析:新たな流入源と改善点を発見
検索パフォーマンスレポートの「クエリ」タブでは、どのようなキーワードでユーザーがあなたのサイトにたどり着いているのかを確認できます。
基本的に、「クエリの表示回数をクリックして降順(多い順)にして掲載順、CTR(クリック率)の低いキーワードを改善する」と覚えてください。
(Google検索結果に表示されている時点で上位表示またはクリックされやすいキーワードとなるため、改善するだけで一気に流入数を伸ばせる可能性があります)
1. 順位が低くても表示回数が多いキーワードを探す
表示回数が多くても掲載順位が低いキーワードは、改善することで一気に流入を増やせる可能性があります。
- 見つけ方: 「平均掲載順位」でソートし、順位は低いが表示回数が多いキーワードを探します。

- グラフ上にある「平均掲載順位」クリック
- クエリ内の「表示回数」をクリックして降順
- 改善策:
- コンテンツの加筆修正: そのキーワードに対する網羅性を高めるために、関連情報を追加したり、より詳細な解説を加えたりします。
- キーワードの配置最適化: タイトル、見出し、本文にキーワードを自然な形で含めるように見直します。ただし、過度なキーワードの詰め込み(キーワードスタッフィング)は避けましょう。
- 内部リンクの強化: そのキーワードに関連する他の記事からの内部リンクを増やします。
- 競合サイトの分析: 上位表示されている競合サイトのコンテンツを分析し、自サイトに不足している要素がないか確認します。
2. クリック率が低いキーワードを特定する
表示回数はあるのにクリック率(CTR)が低いキーワードは、ユーザーの検索意図とサイトのコンテンツがミスマッチしているか、あるいは検索結果での表示が魅力的でない可能性があります。
- 見つけ方: 「平均CTR」でソートし、表示回数が多いのにCTRが低いキーワードを探します。

- グラフ上にある「CTR」クリック
- クエリ内の「表示回数」をクリックして降順
- 改善策:
- タイトルタグの改善: 魅力的なタイトルに変更し、検索意図に合致するよう調整します。キーワードを前半に配置するのも効果的です。
- ディスクリプションの改善: 記事の内容を簡潔かつ魅力的に要約し、ユーザーがクリックしたくなるような説明文に修正します。
- 日付の更新: 記事の内容が常に最新であることをアピールするために、更新日付を明記したり、内容を定期的に見直したりします。
3. 新たなキーワードを発掘する
思いがけず表示回数があるキーワードや、検索意図が多様なキーワードを発見することもあります。これらは新たな記事ネタや、既存記事の改善ポイントになる可能性があります。
- 見つけ方: 全てのキーワードを一覧で確認し、関連性が高くても今まで意識していなかったキーワードを探します。

- クエリ内の「表示回数」をクリックして降順
- クエリ内のキーワード一覧から想定外のワードが入っていないかチェック
- 活用法:
- 新たな記事作成: 新たに発見したキーワードで検索ニーズがありそうであれば、そのキーワードをターゲットにした新しい記事を作成します。
- 既存記事への追加: 既存記事のテーマと関連性が高い場合は、そのキーワードに関する情報を記事に追加し、網羅性を高めます。
ページ分析:人気ページと改善すべきページを見つける
「ページ」タブでは、どのページがどれくらいの表示回数とクリック数を獲得しているのかを確認できます。
1. 検索パフォーマンスの高いページを特定する
すでに多くの流入を獲得しているページは、あなたのサイトの強みです。
- 見つけ方: 「合計クリック数」や「合計表示回数」でソートし、上位のページを確認します。

- 「ページ」タブをクリックして切り替え
- 「クリック数」や「表示回数」を降順にして上位ページを確認
- 活用法:
- 内部リンクの強化: これらの人気ページから、関連性の低いページやあまりアクセスがないページへ内部リンクを張ることで、サイト全体の巡回性を高め、他のページのSEO評価向上にもつなげます。
- 情報の更新と拡充: 定期的に情報を更新し、常に最新で質の高い状態を保つことで、検索順位を維持・向上させます。
- 関連コンテンツの提案: 人気ページに訪れたユーザーに対して、関連する他の記事やサービスを提案することで、サイト内での滞在時間を延ばし、エンゲージメントを高めます。
2. 表示回数はあるがクリック数が少ないページを探す
キーワード分析と同様に、表示回数が多いのにクリック数が少ないページは、タイトルやディスクリプションの改善、あるいは検索意図とのミスマッチを疑いましょう。
- 見つけ方: 「合計表示回数」でソートし、クリック数が極端に少ないページを探します。

- 「ページ」タブをクリックして切り替え
- 「表示回数」を降順にしてクリックが少ないページを探す
- 改善策:
- タイトル・ディスクリプションの最適化: 魅力的なタイトルとディスクリプションに修正し、ユーザーのクリックを促します。
- コンテンツ内容の見直し: ユーザーがそのキーワードで検索したときに期待する情報が、本当に記事内に含まれているかを確認します。不足していれば加筆修正します。
3. 全く流入がないページを確認する
公開しているにもかかわらず、全く検索流入がないページは、インデックスされていないか、検索ニーズがないか、あるいはコンテンツの質に問題がある可能性があります。
- 見つけ方: クリック数が0のページを抽出します。

- 「ページ」タブをクリックして切り替え
- 「クリック数」を昇順にしてクリック数が0となっている記事URLを探す
※「#index_id1」などのURLは該当するページの目次用リンクURLとなりますので除外し、純粋なページURLのみを対象としてください
- 改善策:
- インデックス状況の確認: サーチコンソールの「URL検査」ツールで、そのページがGoogleにインデックスされているか確認します。インデックスされていなければ、インデックス登録をリクエストします。
- コンテンツの質とニーズの見直し: そのページがユーザーにとって価値のある情報を提供しているか、そもそも検索ニーズがあるのかを再検討します。場合によっては、リライトや削除も検討します。
インデックスカバレッジの確認と問題解決

Googleにページを適切にインデックスしてもらわなければ、どんなに良い記事も検索結果に表示されません。「インデックスカバレッジ」レポートは、サイトのインデックス状況を把握し、問題を解決するために非常に重要です。
インデックスカバレッジレポートの読み方
インデックスカバレッジレポートでは、以下のようなステータスを確認できます。
- 有効: 正常にインデックスされているページ。
- エラー: インデックスできない問題があるページ。
- 警告あり: インデックスはされているものの、何らかの改善が必要なページ。
- 除外: 意図的にインデックスから除外されている、またはGoogleがインデックスしないと判断したページ。
特に「エラー」と「警告あり」のページは、優先的に対応すべきです。
よくあるエラーと対処法

1. 「送信されたURLにnoindexタグが追加されています」
サイトマップから送信されたページにnoindex
タグが設定されている場合に発生します。
- 原因: WordPressのSEOプラグインの設定ミスや、テーマのカスタマイズなどで意図せず
noindex
が追加されている可能性があります。 - 対処法:
- WordPressの投稿/固定ページの編集画面で、SEOプラグインのnoindex設定を確認し、チェックを外します。
- テーマの
header.php
ファイルなどにnoindex
タグが直接書き込まれていないか確認します。 robots.txt
ファイルでそのページがクロール拒否されていないか確認します。
2. 「送信されたURLがrobots.txtによってブロックされました」
robots.txt
ファイルによって、Googlebotのクロールが拒否されているページです。
- 原因: 意図しない設定ミスで、重要なページが
robots.txt
でブロックされている可能性があります。 - 対処法: サーチコンソールの「robots.txtテスター」ツールで確認し、問題があれば
robots.txt
ファイルを修正します。
3. 「ページにリダイレクトがあります」
ページが別のURLにリダイレクトされている場合に表示されます。通常は問題ありませんが、意図しないリダイレクトやループリダイレクトが発生していないか確認が必要です。
- 対処法: リダイレクトチェッカーツールなどで、適切にリダイレクトされているか確認します。
4. 「サーバーエラー (5xx)」
サーバー側の問題でページが表示できない場合に発生します。
- 原因: サーバーのダウン、過負荷、設定ミスなどが考えられます。
- 対処法: サーバー管理会社に問い合わせるか、サーバーのログを確認します。
これらのエラーを放置すると、重要なページが検索結果に表示されず、機会損失につながります。定期的にインデックスカバレッジレポートを確認し、問題があれば早急に対処しましょう。
サイトの健全性を保つその他のレポート
サーチコンソールには、サイトの健全性を保つための重要なレポートが他にもあります。
リンクレポート:被リンクと内部リンクの最適化
「リンク」レポートでは、あなたのサイトに貼られている外部リンク(被リンク)と、サイト内の内部リンクの状況を確認できます。
1. 被リンクの確認
被リンクは、Googleがサイトの信頼性や権威性を評価する上で重要な要素の一つです。
- 見つけ方: 「外部リンク」セクションで、あなたのサイトにリンクを貼っている上位のサイトや、上位のリンクテキストを確認できます。

- 活用法:
- 不自然な被リンクの発見: 質の低いサイトからの不自然な被リンク(スパムリンク)を見つけた場合は、「リンクの否認」ツールを使用して、そのリンクをGoogleに評価させないように申請します。
- 優良な被リンクの分析: どのようなサイトから、どのようなキーワードで被リンクされているかを分析し、今後のコンテンツ作成やプロモーション戦略に役立てます。
2. 内部リンクの確認
内部リンクは、サイト内の情報の関連性をGoogleに伝え、ユーザーのサイト内回遊を促す上で非常に重要です。
- 見つけ方: 「内部リンク」セクションで、どのページに多くの内部リンクが張られているかを確認できます。

- 活用法:
- 重要なページへのリンク強化: サイト内で特に重要なページ(マネタイズにつながるページ、主要なカテゴリーページなど)に対して、内部リンクが十分に張られているか確認し、不足していれば追加します。
- 関連性の高い内部リンクの設置: ユーザーにとって価値のある情報を提供できるよう、関連性の高い記事同士を積極的に内部リンクでつなぎます。
モバイルユーザビリティ:モバイルフレンドリーの重要性
「モバイルユーザビリティ」レポートは、サイトがモバイルフレンドリーであるかどうかを診断します。現代において、モバイルからのアクセスが主流であることを考えると、このレポートは非常に重要です。
- 確認すべき点:
- クリック要素が近すぎる: ボタンやリンク同士が近すぎて、誤ってタップしやすい状態になっていないか。
- テキストが小さすぎて読みにくい: モバイル画面でテキストが適切に表示され、読みやすいサイズになっているか。
- ビューポートが設定されていません: モバイルデバイスに最適化された表示のために、ビューポートが適切に設定されているか。
- 対処法: エラーが表示された場合は、Googleが提供する「モバイルフレンドリーテスト」ツールを利用して詳細を確認し、改善策を講じます。
モバイルフレンドリーでないサイトは、検索順位で不利になるだけでなく、ユーザーの離脱にもつながります。
ウェブに関する主な指標:ユーザー体験の向上

「ウェブに関する主な指標(Core Web Vitals)」レポートは、ページの読み込み速度、インタラクティブ性、視覚的安定性といった、ユーザー体験に直接影響を与える指標を評価します。これらはGoogleのランキング要因の一つにもなっています。
- 確認すべき指標:
- LCP (Largest Contentful Paint): ページの主要コンテンツが表示されるまでの時間。
- FID (First Input Delay): ユーザーが最初にページを操作しようとしてから、ブラウザがその操作に応答するまでの時間。
- CLS (Cumulative Layout Shift): ページの読み込み中にレイアウトがどれだけずれるか。
- 対処法:
- 画像の最適化: 画像の圧縮、次世代フォーマット(WebPなど)への変換、遅延読み込み(lazy load)の導入。
- CSS/JavaScriptの最適化: 不要なコードの削除、ファイルの圧縮、非同期読み込み。
- サーバー応答時間の改善: 高速なホスティングサービスの利用、キャッシュの活用。
これらの指標を改善することで、ユーザー体験が向上し、結果的に検索順位の向上やサイト滞在時間の増加につながります。
よくある質問(FAQ)

本日の講座 まとめ
ブログやサイトの流入を増やすために、Googleサーチコンソールは欠かせないツールです。この記事では、サーチコンソールの基本的な設定から、検索パフォーマンスレポート、インデックスカバレッジ、リンク、モバイルユーザビリティ、ウェブに関する主な指標など、多岐にわたるレポートの分析方法と活用術を解説しました。
- サーチコンソールの基本設定: プロパティの追加と所有権の確認、サイトマップの送信は最初に行うべき重要事項です。
- 検索パフォーマンスレポート: 最も活用すべきレポートです。キーワードとページの分析を通じて、新たな流入源の発見や、既存コンテンツの改善点を見つけ出しましょう。特に、「表示回数が多いのにクリック率が低いキーワード」や「順位が低いが表示回数が多いキーワード」は改善のチャンスです。
- インデックスカバレッジ: サイトがGoogleに適切にインデックスされているかを確認し、エラーがあれば迅速に対処することが、検索表示の第一歩です。
- リンクレポート、モバイルユーザビリティ、ウェブに関する主な指標: これらのレポートは、サイトの健全性を保ち、ユーザー体験を向上させる上で不可欠な情報を提供します。定期的に確認し、改善を重ねることで、サイト全体の評価を高めることができます。
サーチコンソールは、あなたのサイトがGoogleからどのように評価され、ユーザーにどのように届いているのかを教えてくれる「通信簿」のようなものです。この通信簿を読み解き、改善を重ねることで、あなたのブログやサイトは着実に成長し、より多くの読者に価値を届けられるようになるでしょう。
今日からあなたもサーチコンソールを積極的に活用し、サイトの可能性を最大限に引き出してください。